OSAFUNE 日本刀の聖地・長船

ABOUT

長船とは

平安時代から刀剣の産地として知られる長船は、福岡一文字派や長船派といった日本を代表する名だたる流派を生み出し、約四百年にわたって、数多くの刀匠、刀職たちがこの地で一生を過ごしてきました。
数ある刀産地の中でも、最大の産地として隆盛を極め、現在でも、国宝指定されている刀剣百十一振りのうち、四十七振りが備前刀。その記憶は、国宝「太刀 無銘 一文字(山鳥毛)」に凝縮されています。

長らく個人所有されていたこの刀を、生まれ故郷にて公に保有すべく、瀬戸内市は山鳥毛里帰りプロジェクトと名付けたクラウドファンディングを行い、総計八億八千万円超の寄附金を集め、備前長船刀剣博物館への収蔵を叶えました。
多くの人の思いが込められたいま、「山鳥毛」は単なる文化財ではありません。長船という土地と文化の系譜そのものであり、この地が刀とともに歩んできた数百年の時間を証する、生きた象徴といえます。

また、備前長船刀剣博物館には隣接して、複数の公開型工房が設置されており、刀づくりの過程や作業風景を目にしながら、刀職たちと話すこともできます。
刀鍛冶や塗師、白銀師、装剣金工師、鞘師、研師等が手がける技を間近で体感できる、唯一の施設であり、刀の技と精神がいまなお長船には息づいています。

備前福岡とは

吉井川の水運に恵まれた備前福岡は、中世において西日本有数の商業都市として栄えた町です。人と物資が行き交うこの地には多くの職人や文化が集まり、活気ある都市として発展してきました。その中で鎌倉時代中期、名高い刀工集団「福岡一文字派」がこの地で活躍します。

則宗を祖とする福岡一文字派は、華やかな丁子刃を特徴とする刀を数多く生み出し、日本刀史の中でもとりわけ高い評価を受けてきました。彼らの作刀は、のちに国宝や重要文化財となる名刀を多く残し、その系譜の中には国宝「太刀 無銘 一文字(山鳥毛)」のような名刀も含まれています。備前福岡は日本刀の聖地の原点を形づくった土地といえます。

かつて、このまちでは炉の炎とともに絶えず刀を打つ鎚音が響き、名刀が生み出されていました。刀づくりに向き合った人々の営みとものづくりの精神がこの地に眠っています。

ITTO/一刀の取組み

株式会社ITTO / 一般社団法人一刀は、「日本刀の聖地」として知られる長船を拠点に、刀の歴史と文化、その背景にある技術と精神を、次代へと継承していくことを使命としています。

名刀を生み出してきたこの地のまちなみや文化遺産を守りながら、刀にまつわる営みを、過去の遺産として保存するだけではなく、いまを生きる文化としてひらき、未来へと手渡していくことを目指しています。

具体的には現代の刀匠、刀職や関連産業、地域の担い手たちとの連携を通じて、新たな仕事と価値の循環を生み出すことで、地域経済の活性化につなげていきます。

また福岡の市に象徴される交易の記憶や地域に根づく食文化など、刀剣文化にとどまらない多様な地域資源を結び直し、この土地全体の文化的価値をより豊かなものへと育てます。

訪れる人々が、刀の精神とこの土地の文化に深くふれ、その奥にある日本の精神性にも出会うことのできる拠点づくりを進めています。国内外にひらかれた場として、その価値を広く発信していくこともまた、ITTO /一刀の大切な役割です。